藤岡皮フ科クリニック、大田区多摩川、皮膚科一般、アレルギー科藤岡皮フ科クリニック

診療内容

診療内容をお話しする前に

皮膚は全身の中で最大の臓器で、他の科で主として治療される病気であっても、まずは最初に、皮膚から症状がでることがあります。そのようなことから、「皮膚は全身の鏡」ともいわれています。患者さんから、皮膚科医は皮膚しか診ないと思われることはとても残念なことで、皮膚症状を伴う全身疾患(例えば膠原病や血管炎あるいは甲状腺などの内分泌疾患など)を、皮膚症状からみつけていくことは、皮膚科医の大切な使命と思っています。
 
例えば皮膚科が膠原病に関与することに対して、「何故膠原病内科があるのに皮膚科が膠原病を診るのだ」という意見があります。もっともな考えでもあるのですが、全身的な症状のない初期のうちに、患者さん自身は気にしていなかった皮膚症状から診断され、軽症の間から治療がおこなわれることで、重症化を防ぐことがよくあります。
 
もちろん「全身と皮膚」を意識しながら診療をおこなっていくためには、臨床の全ての科の先生にお世話になります。皮膚症状からある科の病気を疑うとき、専門的な治療を要するとき、様々な科の先生に御世話になっています。皮膚科だけでなく、近隣の多くの病院やクリニックの全ての科の先生方に良い関係を持っていただき、必要があれば積極的にご紹介するようにしています。

全身と皮膚

前述しましたように、皮膚に生じる全てを対象としています。皮膚が赤くなれば、すべて湿疹ではありません。
皮膚で気になることがあれば、なんでもご相談ください。
 
皮膚症状から、皮膚癌ではなく内臓の癌がみつかることも、決して稀ではないのです。
膠原病や甲状腺疾患なども全身症状が出る前に、まず皮膚症状から始まることがよくみられます。

皮膚固有の疾患(一般的な皮膚疾患)

皮膚症状から全身疾患へのアプローチをおこなうことを当院は大切にしていますが、もちろん多くの場合は、一般的な皮膚疾患の診断と治療となります。一般的な皮膚疾患として、次のような疾患があります。
①湿疹・皮膚炎
アトピー性皮膚炎、“かぶれ”のような接触皮膚炎・小児乾燥性皮膚炎・脂漏性皮膚炎など、アトピー性皮膚炎は生物学的製剤による治療も必要に応じておこなっています。
 
②蕁麻疹
アレルギー性の蕁麻疹は少なく、原因不明のことが7割以上といわれています。
ただし、蕁麻疹から甲状腺疾患がみつかったり、一見蕁麻疹様の皮疹ですが、特殊な疾患に伴って出現した皮疹のこともあります。
 
③薬疹
原因検索のため、大学などを積極的に紹介させていただいています。
 
④感染症
水痘・麻疹・風疹・帯状疱疹のようなウイルス感染症、とびひのような細菌感染症、水虫のような真菌感染症。
 
⑤座瘡(にきび)
非常に多い疾患ですが、通常の抗菌薬(=抗生剤)の内服や外用で治療が難しい場合、さらなる治療法を必要とします。
 
⑥角化症
たこ・うおのめが一般的ですが、内臓癌と関連するような疾患もあります。また魚鱗癬(さめ肌も広い意味では含まれます)。
 
⑦炎症性角化症
乾癬・扁平苔癬・掌蹠膿疱症が代表です。乾癬に対しては、紫外線治療やオテズラなどの内服療法なども行います。
 
⑧水疱症
尋常性天疱瘡・類天疱瘡・落葉状天疱瘡などがあります。水疱のみられる疾患で、大学病院での精密な検査を必要とします。糖尿病の薬で生じることもあったり、落葉状天疱瘡の浅い水疱が無くなった時期では、湿疹として治療されていることがあります。
 
⑨良性の皮膚腫瘍、悪性の皮膚腫瘍(皮膚癌)
良性の小さな皮膚腫瘍の切除は当院で行います。大きな腫瘍や皮膚癌を疑う場合は大学などの大きな病院へ紹介します。
 
※なお、皮膚の範疇には爪や毛も入ります。気になることがあればご相談下さい。

検査

①血液検査
ⅰ)アレルギー検査
Ⅰ型アレルギーに対するIgE抗体の検索、なおⅣ型アレルギーのパッチテストは大学か専門性の高いクリニックを紹介しています。
ⅱ)そのほかの血液検査
貧血、肝機能障害などのほかに、膠原病などの抗体の検査をおこないます。
 
②真菌検査
足や爪白癬など真菌症は実際顕微鏡でみないと、正確には診断できません。
 
③病理検査
皮膚を切除した組織を、病理学的に検索して、良性か否か、また確定診断をします。
 
④超音波検査
超音波指導医(専門医のさらに一つ上の資格です)がおこないます。

治療

①内服、外用などの一般的な治療法
内服療法の中には、乾癬などへの特殊な内服療法も含まれます。
 
②注射療法
通常の蕁麻疹などへの注射療法、脱毛などへのステロイドの皮下注射に加え、アトピー性皮膚炎には生物学的製剤の注射もおこなうことがあります。
 
③液体窒素療法
疣贅(イボ)や脂漏性角化症に対して
 
④レーザー療法
自費になります。色素斑、腫瘍などによって、異なるレーザーを用います。
 
⑤手術
主として良性腫瘍を対象にし、女性の顔面のように美容的な目的を含む場合、悪性腫瘍を疑う場合などは、大学などの専門性の高い病院の皮膚科や形成外科を紹介しています。